6年ほど使用したMAC MINIが起動しなくなったという相談を受けました。
開発の仕事をメインにするようになりましたが、以前はPCやサーバの修理作業もしてたので、久々に作業しました。
年数的には買い替えた方が良い頃合いではありますが、主にネットユースということで、最小限の対応をすることに。新品を買うとなると、それはそれで高めのものを選ぶと結構な出費ですもんね。ディスクは寿命近いですが、一応そのままフォーマットすることに。メモリーは1Gだと心もとないので、2Gとそう値段的に変わらない4Gへ。愛着のあるものは使える限り長く可愛がってあげられるようにしたいところ。
※自営になった4,5年前はPCやサーバの復旧作業を請けていましたが、現在新規のお客様の応需は難しい状況となっております。ご了承ください。飯田橋近隣なら受けられるかなと思います。
<症状>
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起動中画面のままになる
<今回の方針>
- とりあえず修復
- メモリー増設
- できるだけ残存ファイルを発掘
- だめなら再インストール
- それでもだめならHDD交換(SSDへ)
試しに起動してみたところ、20分ほどでデスクトップが現れましたが、マウスだけ動かせる状態。データ取り出し後に再インストールを試みましたが、結果として、SSD交換し、再インストールしました。
修理後は20秒程で起動するようになりました。
※業者に頼むのを前提にするのであれば、むやみな電源投入はやめましょう。論理エラーが進んで残存データが取り出せる確率が減ります。
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Ubuntu でMACを起動してみましたが
Ubuntu 14.4 64bit版のDVDでMACを起動したところ、ハードディスクの/Users(デスクトップとかドキュメントがあるところ)が非表示なので、分解してHDDを取り出し、Windowsマシンで作業することに。
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まずは分解
※詳しい分解方法は、他の方のブログ投稿を参考にしてみてください。
ねじ止めではなく、外枠に本体がカパっとはまっている作りです。他ブログサイトの投稿などは比較的新品ですが、6年ものなので、こんな感じに年数を感じさせます。
結構がっちりはまっているので、ノートPC用のプラスチック製のものでなく、ペーパーナイフと薄めのマイナスドライバーで隙間をこじ開けていきます。※画像は泣く泣くの2回目の分解のものです(後述)。
爪の位置をさぐりながら、ぐりぐりこじ開けると、片面が浮いてきました。
徐々に広げていきます。両側面広げていくと後は傾けるだけで、自重で出てきてくれます。
いよいよ内部が現れます。。。。
過去の経験上、コンパクトPCは熱対策が難しいので、割と本体に放熱用の隙間が空いています。いい感じの大きさです。
中には色んなものが入り込みます。中華料理屋の事務所に置いてあったデスクトップPCを開けた時のことを思い出し、以後の作業は台所へ。
どうか出ませんように!
おっ、案外大丈夫そうだ。
ん??あーー(略)
掃除機と綿棒、ダストスプレーを駆使して隙間を掃除。
写真は撮りませんでした(苦笑)
ちなみに綺麗にした後の写真はこちら
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ドライブユニットの取り出しと、メモリー増設
DVDドライブとハードディスクが一体化しているユニットを取り外します。ファンの風の通り道に埃が詰まってたので、吸い取った後に極細綿棒で掃除しました。
右上の緑色のが増設したメモリーです。もともと1Gのものが1枚ささっていたのを外し、2G X 2枚です。
TranscendのJM1333KSU-2Gを使いました。店員さんの話だと、Core 2 Duoの時代のMACだと、バス幅的にこれが良いかなということ。Intelチップと言っても、MACはその辺詳しく無いのでお任せで。ただ、価格サイトの口コミだと相性が合わなかった人が1人、問題なく動作している人が1人という状況でした。
※今のところ5時間連続でYouTubeを再生させつつ動かしてて問題ないです。
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ハードディスクデータの取り出し
DVDドライブの裏側にあります。
画像にマスクかけました。。。除菌ウェットティッシュと綿棒多数消費です。
取り出したメイン機につなげました。
MACでフォーマットされたディスクなので、HFSExplorerというフリーソフトで中を見ようとしましたが、ディスクを認識しないので、Ubuntu 14.4のDVDで母艦PC(Windows10)を起動し、ファイルコピーを行いました。
ちなみにMAC MINIにディスクをつけたままUbuntuで起動したのですが、ディスクは見られるものの、/Usersディレクトリの参照できなかったのでパスしました。
HFSExplorer
http://www.catacombae.org/hfsx.htmlWindows10マシンに取り出したハードディスクをつなげ、UbuntuのDVDで起動。
root権限でファイラーを起動し、USBメモリーにファイルをコピーしています。破損ファイルがかなりありましたが、Windowsのように「コピーできませんでした」(おしまい)ではなく、エラー理由とともにスキップ用のダイアログを出してくれます。
80%程度のファイルを取り出すことができました。
組み立てなおしです。
さて、これで再インストールしてみます。
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再セットアップ(ハードディスク不良検出・・・)
Ubuntuの時にファイルのエラーが見つかってたんですが、フォーマットしなおせば大丈夫な可能性もあるので、とりあえず再インストール
ディスクユーティリティーでディスク消去はできたものの、再マウント途中で止まってしまいました。
これで、このハードディスクを使用するのは断念です。
再度分解して、新規のSSDを利用してセットアップしなおしです。要領はつかんだので案外手早くできそうです。
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ハードディスクの換装、ボタン電池交換
SSDと一緒に、ボタン電池とレンズクリーナーを調達。
SSDはhynixのHFS128G32MND-3312A。コスト重視というのと、もともとMAC MINI(2009)は6G/sに対応していないので、このスペックでも十分ということで選択。
電圧はまだ足りてましたが、錆ついてるので交換へ。左にちらっと移っている金色の部品は、ボタン電池ソケットにひっかけて、本体ケースに触れるようになってました。
古いハードディスクには、スポンジの緩衝材がついていたので、取っておきます。
新しいSSD。ワインレッドの外装でなんか格好良かったです。
6年前のMAC MINIですが、SSDにすることで、ハードディスク採用の後期のMACよりもサクサク動いてくれるかと(ネットユースメインですし)。
もともとハードディスク側面に温度センサーがついてまして、両面テープを新しくしてつけてあげます。
こんな感じです。
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お掃除
車もちょっとした修理に出しただけなのに、綺麗になって帰ってくると気持ちいいですよね。
ということで、お掃除です。
ファン本体がねじ止めでは無かったので、掃除機で埃を吸った後、アルコールを染み込ませた極細綿棒で取り除いてます。
結構綺麗になりました。ファンが回らなくなると一気に寿命が縮まるので、根気よくふき取ります。
ケースの通風孔も綿棒で拭いていきます。
全体的に茶色がかってましたが、綺麗になるだけであと何年か使おうっていう気持ちになりますね。
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再々セットアップ
今度は普通に新規インストールです。ちなみにOSはSnow Leopardです。
まずは一安心です
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起動&諸々アップデート
おっ!
無事に起動しました。
ソフトウェア・アップデートで、10.6.3から10.6.8になりました。
メモリも4GBで認識されています。
Wi-fiも問題なく繋がりました。
動作確認で、動画再生を4時間ぐらい連続して行っていますが、今のところ問題ありません。
総起動時間で8時間程度です。スリープ、再起動など何度かしてみてもフリーズは発生していません。
しばらく様子を見て返却です。
久しぶりにPCの修理をしてみましたが、開発作業と違って短時間でできて、即リアクションが得られる仕事というのは良いですね。
昔旅行写真の詰まった老夫婦のPCを直した時のことを思い出しました。